2006/10/13

ウェブ進化論と医療崩壊

Notes/Dominoには直接関係ありませんが、いくつか書きたいことが重なったので記しておきます。

きっかけは、RSSリーダーで読んでいたこの記事でした。

My Life Between Silicon Valley and Japan - 日経BP・BizTech図書賞を受賞しました。

もちろんウェブ進化論は読んだことがあったのですが、「医療崩壊」という本は初めて知りました。ここにあるとおり、日経BP・BizTech図書賞を受賞した3本の中の1つのようです。

日経BP・BizTech図書賞に「ウェブ進化論」など:ITpro

そこで例によって早速図書館に行って借りてきました。こちらの本です。

Amazon.co.jp: 医療崩壊?「立ち去り型サボタージュ」とは何か: 本: 小松 秀樹

さて、この本は普段読書の習慣がない私が、まさに生まれて初めて引きつけられるように読んだ本かもしれません。家族に医者を持つ身として、また長いこと病院にお世話になった身として興味深かったことも事実ですが、何より筆者の語り口、また類似の問題がIT業界にも多数あることなど、多々共感出来たことが幸せだったのだと思います。
この本の気持ちよいところは、筆者が自身の意見を非常に明確に述べており、必ず意見が分かれそうなところも、理由を付けた上で自身の意見を明確にしているところです。また、その論理的思考には非常に気持ちよく、自分の思考回路に共鳴出来るものでした。さらに、よい倫理観の角度で、社会的なマクロの視点と現場的なミクロの視点から見事に1つの意見を作り上げています。あまりに優秀すぎるのですが、まるで自分の父親ではないかと思うくらい親近感を覚えました。

筆者の小松先生は中で現在の医療現場に関して、様々な問題点を指摘しているのですが、それがIT業界の問題点に接近していることが、自分に刺激的だった理由の1つだと思います。
例えば「人は誰もが間違える」とか「安全とコスト」とか、また発生する過失に対する社会的反応はIT業界にとって今後恐ろしいテーマのような気がします。

と、そんなこんなで刺激を受け、まずは身近な人にこの本を教えてあげたいな、と、自分のmixiの日記にぼそっと書きました。そこの感想の1つに「ウェブ進化論なんかより、よっぽど面白いと思った」と書きました。自分にとってウェブ進化論は同一業界だったので、興味深くはあるし楽しく読んだのですが、衝撃が違いましたので。
これがよかったのか悪かったのか、ふと気がつくと(私は普段足あととかアクセスログとか全く気にしない人なのですが)、梅田望夫さんご本人からアクセスを頂きました。
最初は書評を求めて、定期的なキーワード検索&巡回を行っているのかと思ったのですが、mixiなど足あとが残る場合、むしろ「梅田さんが書評を読む」という事実以上に、「梅田さんに自分の日記を読んでもらえた」という効果のほうが高いのではないかと思いました。ここで思い出したのが以下の意見です。
コラボレーション・エンジニアの考える日々 - 足あと機能の実装
なるほど。私のケースでは、医療崩壊を褒めるために、ウェブ進化論を利用してしまったので、ちょっと後ろめたい気持ちもありますが、一般的にはやはり効果は大きいのかもしれません。

(なお、ウェブ進化論は発売日近くにAmazonで購入させて頂き、面白くて一気に読んだということを補足しておきます。)

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