2016/04/24

Dominoのアプリケーション開発の将来に関する1つの話

長年 Notes/Domino のアプリケーション開発の世界で啓蒙を行ってきた Niklas Heidloff (現在はBluemix界隈で活躍中) が、以下のようなブログエントリを書いて、Domino界隈でとても大きな話題になっております。コメントが本日現在で 37件というのだから、その注目度がわかります。あの、Ed Brill までコメントしております。

My Thoughts on the Next Generation of IBM Domino App Dev

内容は、Dominoの開発について、オンプレミス、クラウドの双方を見たときに、今後どのように進化するのか、という外野からの「意見」です。


簡単に紹介すると、次の2点です。
1) Dominoは今後 Node.js の技術をもっと吸収したほうがよいのではないか
これまでも製品は技術を追加することで拡張してきたのだから、出来れば製品標準として組み込めればよい。
特に、Node.js の技術と Dominoが得意なビジネス・コラボレーションアプリの相性がよいのではないか。(例: 認証、認可、RAD、Web/モバイル、NoSQL利用など)
さらに、コラボレーション系のアプリケーションは、今後コグニティブへと融合していくことが予想されるが、例えば Bluemix で提供されるコグニティブ機能に対して、Node.js が一番触りやすいのではないか。(他のランタイムでも出来るけれど、サンプルも豊富だし)
RADという上で考えても、Node.js にはLoopBack という仕組みがある。(もし将来的に、LoopBackからのNSFコネクタが出来ればとてもよい)

2) Cloudant の積極活用を考えてよいのではないか
特に、クラウドでのDominoアプリケーションという意味では、Bluemix上で動かすようになるだろうが、その時のクラウドデータベースとしては、NSFに似ているCloudantがよいのではないか。


もっとも Niklas は現在、Bluemixに強く関わっており、CLEANスタック というアーキテクチャを啓蒙しようとしておりますので、読み手はそういった背景を理解した上で、自身のフィルタをかけながら読む必要はあると思います。
コメントの中には、Domino自身に Node.js を組み込むのではなく、Node.js から Dominoに触ることのほうが大事だと主張する意見もあります。


いずれにせよ、これだけ REST API ベースでアプリケーションがつながって行く世界なので、Dominoの開発者として、Node.js / Cloudant (MongoDBとかComposeでもよいですが)を知っておくアドバンテージはあるのではないかと私は思います。

2016/04/05

Domino Web Administratorは使わないほうがよい

新しい話ではないのですが、最近質問を受け、あまり知られていないようですので、メモ程度に書いておきます。

以下のTechnoteにある通り、Domino Web Administrator (Web管理クライアント / webadmin.nsf )を使うことは、脆弱性があり、現在推奨されていません。将来的に廃止の予定です。

IBM (参考) セキュリティ情報:IBM Domino Web Administrator の代わりに IBM Domino Administrator クライアントを使用することによる、より安全な IBM Domino サーバーの管理




以下のような Technote もあり notes.ini で Web Administrator の機能を無効化することも出来ますし、webadmin.ntf を削除する方法もあるかと思います。

IBM How to disable webadmin.nsf?

Domino の管理には、管理クライアントをお使いください。


(以下思い出話)
Domino 6 が出荷された時は、まだこの世に Ajax という言葉もなく、DHTML を使ったWeb画面は世間一般にも相当お洒落でした。私も、管理クライアントと同じUIを持つWebクライアントということで、ワクワクしながら触ったことを覚えています。この実現のために(?)、サーバーコンソールコマンドの出力結果にはXML出力オプションがつきましたし、通常の管理クライアントでは扱いにくい notes.ini まで見れたのも、驚きました。
dfc というフレームワークまで作り、それなりの盛り上がりを見せていましたが、これまでの利用のされ方などを見ても、Domino管理クライアント一本化のほうがよいかな、と思いました。